私は絵本が大好きで、学生の頃は近くの美術館で行われていた絵本展に必ず行っていました。何年か前にせなけいこさんの絵本展がありました。せなけいこさんと言えば、おばけとメガネうさぎのお話か有名です。その時買ったメガネうさぎのぬいぐるみはベッドサイドに飾っています。
当然娘も絵本が大好きで、今でも本屋に行くと絵本コーナーに立ち寄ります。絵本は絵がとてもきれいで癒されますし、お話もその発達段階に応じて違った楽しみ方が出来るのも魅力です。
さらに絵本は子どもの発達段階を研究して、その特性に合わせて出されているのも素晴らしい点です。実際にうちの娘にも生後4ヶ月くらいから、絵本の読み聞かせをしていました。以前の記事にもありますが、絵本をきっかくにたくさんお話してあげて、たくさんお話を聞いてあげることにもつながります。
ここでは赤ちゃんに焦点を合わせて見てみます。発達心理学から見ると、赤ちゃんの聴力は発達していて、生まれる前からお母さんの声を聴いていると言われています。
一方で視力は生まれてから発達していくので、生後3~4ヶ月の 視力は0.04~0.08程度と考えられています。 生後6ヶ月~8ヶ月頃は視力発達が著しく、視力は0.1程度です。赤ちゃん絵本やおもちゃを見ると白と黒、赤など色がはっきりしたものが多いのも特徴です。
まだぼんやりとしか見えない世界の中で生きている赤ちゃんですが、生後3~4ヶ月頃にはお母さんの顔を認識していると言われています。
視力が未発達の赤ちゃんは大人と全く同じ世界を見ているわけではないのですが、顔を好んでみることがファンツの選好注視法の実験で明らかになっています。
ファンツの生後46時間から生後6ヶ月までの乳児を対象にした実験では、赤ちゃんは柄がないものより柄のあるもの、複雑な図形や縞図形、顔図形を好んで見ることが明らかになっています。
発達心理学に沿って、絵本の読み聞かせを考えてみると、
・お腹の中から聞こえていたお母さんの声 で語りかけることで赤ちゃんが安心する。
・ぼんやりとしたお母さんの顔を見せることで視力の発達を促すことになる。
赤ちゃんだけではなくどの発達段階にも共通しているのは、
・絵本をきっかけに親子のコミュニケーションを図ることができる。
・絵本が親子の歴史を紡ぐ。
ことがあげられます。
うちの娘はすでに思春期の年齢に達していますが、先日も本屋に行って夏休みに読みたい本を買いました。その次いでに絵本コーナに行って絵本談義に花を咲かせ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
その時話したエピソードです。
「じゃあじゃあびりびり」は娘に最初に読み聞かせた絵本です。かみ(紙)びりびりびり、みずじゃあじゃあじゃあなど擬音を楽しむ本です。その中に赤ちゃんあーんあーんあーんと泣き声の1節があります。娘が1歳くらいでよちよち歩きが出来るようになった頃、公園にお散歩に行きました。その時、ベビーカーに乗った小さな赤ちゃんを見て「赤ちゃんあーんあーんあーん。」と言い出しました。私は「あなたも赤ちゃんだけどね。あーんあーんあーんって泣くけどねえ。」と思いながら、とってもおかしくて可愛くて笑ってしまったことがありました。
その話をすると娘はとっても恥ずかしがっていました。
この本を見るとまだ赤ちゃんだった娘を思い出してとても懐かしく感じます。
他にも「かおかおどんなかお」です。赤ちゃんの頃はただ読み聞かせるだけでしたが、もう少し大きくなるとそれぞれのページの顔の表情を、一緒につくって遊びました。例えば泣いた顔で「えーん」、怒った顔で「ぷん」みたいな感じです。最後のページの「いいかお」に合わせてニコニコいいかおをするのが娘のお気に入りでした。絵本は発達段階に合わせて違ったアプローチが出来るのも素敵な点です。
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娘は思春期の難しい年頃ですが、反抗的態度を取った時は「あー、こんなに生意気になって可愛くない。赤ちゃんの時は・・・。」と昔話をします。「かおかおどんなかおで、いいお顔してくれてかわいかったのに。赤ちゃんに戻れ。」のような使い方もします。すると「そういう話しないでよ。」と言いながら、その場はそれで終息します。
絵本は子育ての歴史を紡ぐ素晴らしいツールだと思います。今でも娘とのコミュニケーションツールであることに変わりありません。