女優気分での顧客対応


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最近カスタマーハラスメントが問題になっています。旅館業法では、迷惑客に対して宿泊拒否ができるように改正されました。

顧客からの暴言・暴力は本当に対応に苦慮します。しかしこちら側の不手際によって相手を不快にして、クレームに発展するケースもあると思います。

クレーム対策は「こちら側の態度が相手を不快にさせていない。」ことが前提になっています。しかしそこに落ち度があるケースもあり、そこは教育が必要になってくるかと思います。

ここで私の体験談をお話ししたいと思います。

私があるお客様窓口に問い合わせの電話をかけた時のことです。ガイドに書いてある通りに設定を行ったのですがうまくいかなかったため、電話をしました。最近は「品質向上のために会話を録音しています。」とガイダンスが流れています。これはお互いにとってとても良い試みです。今回の問い合わせ内容は、窓口担当者からすれば良くある初歩的な問い合わせだったでしょう。こちらとしても何度も操作を見直して、繰り返し行ったけれど、うまくいかなかったので仕方なく電話したわけです。

電話がつながって、内容を説明する途中から、明らかにうっとおしそうな対応です。そしてこちらの説明を途中で遮って、的外れな回答をしてきます。はじめに何をしてほしいのかを話していましたが、明らかに相手が早合点して対応しています。「こんなことで電話してくるな。」とでも言いたげな声の調子でした。私は不愉快になりながらも、冷静に話をして、何とか問題を解決し、電話を切りました。

この電話の内容は録音されているはずです。それであれば、スタッフの電話対応は適切だったのか一度振り返ってほしいと思いました。このような電話を行った後は、よくアンケートが送られてきます。「スタッフの対応はどうでしたか?」という内容ですね。私はその時に評価を最悪につけて、なぜそのような評価にしたのかを記入しようと思い、特に何も言わず電話を切りました。この時の担当者は若い女性でした。まだまだ修行が足らないなあとおばさんは思いました。

私は看護師ですが、そういえばこんな態度が悪い子がいたなあと、既にやめたスタッフを思い出しました。その子は新人の時から患者対応がうまくありませんでした。患者から嫌なことを言われたら、後ろを向いて「うるさいな。」と言ってしまうこともありました。本人には、もし嫌なことがあったのならスタッフステーションに帰ってきてから、患者にわからないように吐き出するように、指導していました。反対に患者からその子の態度についてクレームが入ることも良くありました。その度に気を付けるように指導はしていたのですが「私が悪いんですか?」のような反省が見られない態度でした。

そのスタッフからじっくり話を聞いたことがあります。クレームが多いので半分面談を兼ねて思いを聞いてみたのです。すると「患者から理不尽なことを言われるのが我慢できない。いけない態度を取っていることは自分でもわかっている。でももう限界。」と泣きながら気持ちを表出していました。その直後、そのスタッフは退職しました。

そのスタッフの退職後、患者からのクレームが激減しました。もともと対人業務には向いていなかったのだと思います。

私が問い合わせをした時に対応した人も、実は精神的に参っているのかもしれません。それなら休むか辞めるなどの対応をしないと、顧客側・企業側にとっても不利益ではないでしょうか?

何年か前に夜間の救急外来で、患者からの暴言に耐えかねた医師が暴言を吐き、それがネットにさらされていました。その時の患者の暴言は酷いものでした。とても理不尽だったので医師の気持ちも良くわかります。しかしそこで暴言を吐いてしまうと、こちら側の負けです。何があっても相手の挑発に乗らずに、冷静に対応する必要があります。どうしても自分では対応が難しいなら、周りに変わってもらうなど複数で対応しながら、相手につけこまれないよう耐えることが重要です。

相手が曲者でクレームになりそうな場合ほど、冷静に丁寧な対応が必要です。そこはお芝居です。女優になったつもりで対応します。それでスタッフステーションに戻ると、他のスタッフに思いっきり、本音を吐き出します。「今から女優になってくる。」と言いながら、対応困難者の元へと出向くこともあります。

対応困難者への対応は

・女優になったつもりで、冷静に丁寧さを心がける。

・無理なら変わってもらう。

・誰もいないところで気持ちを吐き出す。

・感情を出したら負け。

・相手のつけ入るスキを見せない。

これを前提として対応して、それでも無理な人はモンスターカスタマーです。それなりの対応が必要になります。1人で抱えず、組織で対応しましょう。