虎に翼 新潟編 親子の欠点継承


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虎に翼の新潟編が始まりました。先週、寅子は優未に「良い子でいるように呪いをかけてごめんなさい。いいお母さんになるので新潟に一緒に来てください。」と謝罪しました。1人の人間としてだけではなく、親が子どもに謝罪することはとても意味のあることでした。なぜなら毒親は自分の過ちを素直に認め、子どもに謝罪することはしないからです。寅子が謝罪できたことで優未は「親も完璧ではない普通の人間である。」ことを学ぶことが出来ました。

新潟に来て、寅子は優未との距離が縮まらないことに葛藤しています。しかし優未に花江のように上手に家事が出来ないなど、完璧でない部分を見せています。エリートな親こそ、子どもに普通の部分や苦手な部分を見せることはとても意味があります。大人でも全て完璧な人がそばにいると息が詰まる感じがしませんか?

さらに優未がお母さんに代わって進んでお料理をしていました。お母さんから頼まれなくても自ら行っていた点に、優未の成長を感じます。寅子は優未に助けられていますし、優未は寅子を助けることで自己肯定感を高めて行けるでしょう。

そして、また優未はテストの点数を改ざんしようとしました。今度は寅子に見られてしまいましたが「テストになるとお腹が痛くなる。」と理由を打ち明けることが出来ています。その事からまだ溝はあるものの、親子の関係性が良い方向に向かっているのが分かります。

テストになるとお腹が痛くなる。それが優三と同じであると寅子は優未に伝えました。行動遺伝学の安藤寿康先生によれば、遺伝的に性格が似る確率は50%だそうです。

優未が赤ちゃんの時に出征した優三のことを優未は覚えていないでしょう。だからこそ

テストになるとお腹が痛くなることが、父親譲りだった点に大きな意味があります。優未にとって確かに父の子どもである証を手に入れたような気がしたのではないでしょうか。

このエピソードからうちの娘とのやり取りを思い出しました。娘が学校で急に当てられた時に「頭が真っ白になってうまく答えられなかった。みんな冷静にうまく答えられるのに、全然出来なくて、落ち込む。」と言う内容でした。私も昔そうでした。当てられると頭が真っ白になって、全部忘れてしまうのです。

私は娘に「えー?何でそんなとこ似るの?苦手なところ似なくていいじゃない。私のまねしなくていいよー。」と言いました。娘からは「似たくて似たんじゃない。そんなのいらないよ!」と返事がありました。しかしなんだかとってもうれしそうだったのです。私はなぜ娘がうれしそうにしていたのかとても不思議でした。その意味が少し分かった気がしました。

欠点が遺伝的に親子であることを証明している。身長や体質と同じで、変えようもない真実であり、悩んでも仕方ないと娘は思ったのかもしれません。