藤井聡太棋士が子どもの頃に遊んでいたおもちゃが以前に話題になりました。当時よく売れたそうですね。今でも検索すればすぐに出てきます。
果たしてそのおもちゃを我が子に使ったとして、彼のように天才になれるのでしょうか?皆さんも無理であることは薄々分かっていても、子どもには少しでも良いものを与えたいと思いうものです。だからこそハズルや積み木などの知育玩具は選ばれやすいおもちゃなのでしょう。
スイスの心理学者のピアジェの認知発達理論によれば、0~2歳は感覚運動期と言われ、触る、なめるなどの感覚運動を通して情報をつかむ時期と言われています。つまり積み木などの知育玩具を与えることは、子どもの発達にも良いことが分かります。
2歳~7歳は前操作期と呼ばれています。言語能力や想像力の発達が盛んでごっこ遊びかよく見られます。(この理論の詳しい説明は省きます。)
私は娘に積み木を与えた時のことをよく覚えています。「知育玩具の代表格である積み木をきれいに積み上げて遊べば、手先の器用さや集中力が鍛えられるのではないか?そして数学的センスに少しでも結び付けば良い。」そんなことを思っていました。
うちの娘が積み木を出します。親からすれば、積み木を積み上げておうちを作る、タワーを作るなどが行われると思っていました。
しかしうちの娘は1回でもそんな使い方をしたことはありません。ごっこ遊びが大好きな娘は積み木の上にシルバニアファミリーのウサギさんを寝かせてベッドとして使います。積み木はこのウサギさんのベットにちょうど良い大きさでした。ウサギさんが起きると、積み木は椅子とテーブルになります。私が横から「積み木を重ねてウサギさんのおうち作ってあげようよ。」と声をかけても反応はなく、今度はくまさんが遊びに来て、積み木は椅子として使われる。たくさんのお友達が遊び疲れると、みんな積み木のベッドに並んで寝かされます。そして保育園の先生がやってくれているようにとんとんと優しくたたいて寝かしつけをしていました。
大人の斜め上をいく積み木の使い方をする娘を見て、子どもの想像力ってすごいな、面白いなと微笑ましく眺めていたのを懐かしく思い出します。
そうです。藤井聡太棋士が使っていたおもちゃを使っても、彼のようにはならないでしょう。うちの娘のように違った使い方をするかもしれません。あのおもちゃを彼が使ったから良かったのです。
積み木をごっこ遊びの道具にした娘に、数学的センスを身につけさせることは出来ませんでした。
ごっこ遊びが好きだった子は、いじめっこにはなりにくいと言うのを聞いたことがあります。全くその通りで、うちの娘はいじわるの仕方を知らずここまで育ってきました。
みんなが藤井聡太棋士のようにならなくていいと思います。その子らしさを大切に、日々接してあげてほしいと思います。